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初日の避妊・去勢手術

初日の避妊・去勢手術

不妊・去勢手術を行うことで、ペットが将来的にかかりやすい さまざまな疾患を予防できるだけでなく、 発情期にみられる行動による飼い主様のご負担やお困りごとを軽減することができます。

手術と麻酔について

初日動物病院では、どのような手術であっても、 ペットにとって最も負担が少なく、最も安全で、最も優しい方法を第一に考えています。
私たちは以下の3つの原則を大切にし、 年齢や健康状態に合わせて、ペットに最適な麻酔・疼痛管理プランを選択しています。

安心・安全な麻酔
最小限の負担で行う
迅速な術後回復

その他の手術に関する詳しい内容は、下記リンクよりご覧いただけます。

なぜ不妊・去勢手術が必要なのでしょうか?

Puppy Kitten

犬・猫の不妊手術(メス)

  • 望まない妊娠を防ぐことができます。
  • 乳腺腫瘍、子宮疾患、卵巣疾患の予防につながります。
  • メス猫では、発情期の大きな鳴き声や落ち着かない様子を抑えることができます。
  • メス犬では、発情による出血や食欲・元気の低下を防ぐことができます。
Puppy Kitten

犬・猫の去勢手術(オス)

  • 性格が穏やかになり、攻撃性の減少が期待できます。
  • オス犬のマーキング行動、オス猫のスプレー行動(尿の噴射)を抑える効果があります。
  • 縄張り意識が弱まり、他の動物とのケンカが減少します。
  • 精巣・前立腺の病気を予防できるだけでなく、 雄性ホルモンが関与するその他の疾患の予防にもつながります。

不妊・去勢手術を行う時期について

Puppy Kitten

子犬・子猫の場合

  • オス・メスともに、 初回の発情が来る前(生後6〜7か月頃)に手術を行うことをおすすめしています。
  • 犬・猫ともに、メスは初回発情前に不妊手術を行うことで、乳腺腫瘍の発生率を最も高い確率で低減できます。
  • また、オスも早期に去勢手術を行うことで、マーキング行動やスプレー行動を大幅に抑えることができます。
Puppy Kitten

成犬・成猫の場合

  • 手術自体はいつでも可能ですが、 メスは発情期の手術を避けることが望ましいとされています。 発情期は子宮・卵巣周囲の血管が充血しており、 手術時の出血量が増えるリスクが高くなります。
  • また、中年期(5〜7歳前後)以降は、 体に隠れた疾患が麻酔・手術のリスクとなる可能性があるため、 通常よりも詳細な術前検査をおすすめしています。
  • 病気の予防効果、手術・麻酔の安全性などを総合的に考慮し、 できるだけ早い時期に不妊・去勢手術を行うことを推奨しています。

不妊・去勢手術の流れ

手術前日
事前準備
  • 手術前日の夜12時以降は、食事を与えないようお願いいたします。
  • 胃の中に食べ物が残ったまま麻酔を行うと、 誤嚥性肺炎のリスクが高まるためです。
  • もし、前日夜12時以降に誤って食べ物を口にしてしまった場合、 手術を延期せざるを得ないことがありますので、十分ご注意ください。
  • なお、少量の飲水は問題ありません。
手術当日
術前検査

当院では、安全に手術を実施するため、 以下の術前検査を共通して行っております(犬・猫共通)。

  • 一般身体検査
  • 血液検査(CBC)
  • 血液生化学検査
  • 胸部レントゲン検査

※犬貓共通

また、中高齢のペットや、健康状態に不安がある場合には、 状況に応じて追加の精密検査を行うことがあります。術前検査で異常が認められた場合、 手術を延期させていただく場合がありますので、あらかじめご了承ください。


鎮痛(疼痛管理)

当院では マルチモーダル(多角的)鎮痛 の原則に基づき、 全身性の鎮痛薬と局所麻酔 を組み合わせて使用し、 できる限り少ない薬剤量で 最も効果的な鎮痛 を行っています。 不妊・去勢のような比較的シンプルな手術であっても、 確実に痛みを軽減し、ペットの負担を最小限に抑える ことを大切にしています。


麻酔

ペット一頭一頭の健康状態に合わせて麻酔計画を立て、最適な麻酔方法を選択します。
手術中は、生体モニターを使用して 心拍数・血圧・血中酸素濃度・呼吸 などの生理値を常に監視し、 麻酔ワークステーションを用いて 麻酔深度と呼吸状態を細かく調整します。 これにより、安全かつ安定した状態で手術を進めることができます。


手術

メスの場合

  • 当院では通常、「卵巣摘出術(オーバリオクトミー)」 を実施しています。
  • 一般的な不妊手術には、子宮と卵巣を両方摘出する「子宮卵巣摘出術」、卵巣のみを摘出する「卵巣摘出術」の2種類があります。
  • 不妊手術の目的の一つは、将来起こり得る子宮疾患を予防することですが、 卵巣のみを摘出しても同等の予防効果が得られます。
  • また、子宮には膀胱を支える役割があり、 子宮を同時に摘出すると膀胱が刺激を受け、術後の回復が遅れる場合があります。 そのため、若く、子宮・卵巣に異常がない場合は卵巣摘出術を選択しています。
  • 一方で、高齢のペットや子宮に明らかな異常がある場合は、子宮と卵巣を同時に摘出する手術へ切り替えることがあります。

オスの場合

  • 去勢手術では、左右の精巣を摘出します。
  • 頻度としては高くありませんが、成長しても精巣が正常な位置まで降りてこない陰睾(停留精巣) のケースがあります。 この場合、腹腔内に残った精巣を取り出すため、 開腹手術が必要となります。停留精巣をそのまま放置すると、引き続き雄性ホルモンが分泌されるだけでなく、将来的に腫瘍化するリスクが非常に高くなるため、摘出が推奨されます。

手術では、血管を吸収糸で結紮し、腹壁や皮下組織も**吸収糸(約3〜6か月で体内に吸収)**を用いて丁寧に縫合します。

術後
お迎え
  • 手術当日の夕方以降にお迎えをお願いしております。
  • お迎えの際に、術後の注意事項について丁寧にご説明いたします。

術後の再診
  • 手術後、約7日後に再診していただきます。縫合糸がある場合は、再診時に抜糸を行います。
  • 美容縫合(埋没縫合)であっても、傷口の状態確認のため再診が必要となります。